REPORT 2021|滋賀中央信用金庫
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 統合的リスク管理とは、金融機関の直面するリスクに関して、自己資本比率の算定に含まれないリスクも含めて、それぞれのリスク・カテゴリー毎に評価したリスクを総体的に捉え、自己資本と対比することにより、自己管理型のリスク管理を行うことをいいます。 当金庫は、バーゼルⅢの指針に基づき、自己資本比率を算出するとともに、「第二の柱」の要求事項である金融機関が自らの規模や特性に照らし、内包するリスクを総合的に捉え、自主管理を行う「統合的リスク管理態勢」を構築しています。 信用リスク管理は自己査定の債務者区分および分類結果、企業格付等に基づいてリスクを適正に把握し、適切なポートフォリオ管理等に反映させることを基本方針としています。 手続の概要としては、企業信用格付から算出されるデフォルト確率(PD)に基づき、非期待損失率(UL)等の信用リスクを計測し、自己査定による債務者区分から算出される貸倒引当金の状況の適切性、また、当金庫の自己資本に及ぼす影響等を管理しています。貸倒引当金は、当金庫の定める「資産自己査定規程」および「償却・引当の基準」に基づき、正常先債権および要注意先債権に相当する債権については、一定の種類毎に分類し、過去の一定期間における各々の貸倒実績から算出した貸倒実績率等に基づき引当てています。破綻懸念先債権に相当する債権については、債権額から担保の処分可能見込額および保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち必要と認める額を引当てています。破綻先債権および実質破綻先債権に相当する債権については、債権額から担保の処分可能見込額および保証による回収可能見込額を控除した残額を引当てています。 金利、為替、株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オフ・バランス含む)の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクをいいます。市場リスクは金利ショックを信頼区間99%、期間120営業日、観測期間5年で計算されるVaRによりリスク量を算出しています。 なお、市場リスク量の算出においては、金利、株式等のリスク・ファクターの相関関係を考慮しています。 予期せぬ資金の流出等により、通常よりも著しく高い金利で資金調達を余儀なくされる等により金庫が損失を被るリスクをいいます。流動性リスク管理においては、当金庫の資金調達・運用構造に即した適切かつ安定的な資金繰り体制を目指しています。 オペレーショナル・リスクの算出手法については、基礎的手法、粗利益配分手法、先進的計測手法がありますが、当金庫は基礎的手法を採用しています。  オペレーショナル・リスク量 = 調整後業務粗利益 ×15%  調整後業務粗利益=[業務粗利益 - 債券5勘定尻(債券売却益等5勘定の損益)+役務取引費用(外部委託に係る費用)]の直近3年間の平均額 オペレーショナル・リスク・アセットについてはオペレーショナル・リスク量 ÷8%で算出しています。 当金庫のオペレーショナル・リスクについては、次のリスクを管理しています。● 事務リスク役職員が事務ミス、或いは事故・不正等を起こすことにより金庫が損失を被るリスクのことをいいます。事務リスク管理においては、常に事務リスク発生の危険度を把握し、規程の整備指導を図るとともに、厳正な事務管理に努めています。● システムリスクコンピュ-タ・システムのダウン又は誤作動等、システムの不備等に伴い金庫が損失を被るリスクやコンピュ-タが不正に使用されることにより金庫が損失を被るリスクをいいます。当金庫の情報資産保護のための管理体制を整備し、適切なシステムリスク管理運営を図るものとし、すべての役職員は、システムリスク管理の重要性を認識し、 そのリスクを極小化するため、諸規程、事務取扱要領等を厳守し、行動しています。● 有形資産リスク災害・その他の事象から生じる有形資産の毀損・損害等により、金融機関が損害を被るリスクのことをいいます。当金庫は、平時の管理と緊急時の体制を確立し当金庫が災害等の事象から生じる有形資産の毀損・損害等から直面する有形資産のリスクを認識し、適切な管理を行っています。● 人的リスク不祥事件から生じる経営への影響・風評リスク、人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の問題)から生じる労務問題、健康面・メンタルヘルスにかかる休業等のリスク、差別的行為(セクシャルハラスメント・パワーハラスメント)から生じる損失・損害を被るリスクをいい、人事部による人的リスクの管理および環境整備を図っています。■統合的リスク管理態勢24SHIGA CHUO SHINKIN BANKインフォメーションリスク管理態勢1.信用リスク2.市場リスク4.流動性リスク3.オペレーショナル・リスク

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